株式会社Yogibo

早稲田大学協賛産学連携プロジェクト|人は何故「リラックスする」のか

早稲田大学協賛産学連携プロジェクト|人は何故「リラックスする」のか

ストレスの無い社会の実現に向けて

快適すぎて動けなくなる魔法のソファ「Yogibo(ヨギボー)」を展開する株式会社Yogibo(代表:木村誠司/以下、「Yogibo」)は、ブランド理念として「ストレスの無い社会の実現」を掲げております。
ストレス反応とリラックス反応は、お互い相容れない関係にあり、十分にリラックスした状態では、不安や恐怖、身体的緊張が起きにくくなります。(*1)
(*1:引用元 文部科学省 8.心のケアとリラックス反応 )

その事実に基づき、Yogiboは「リラックスする」ために何が必要なのかを解明し、商品に反映させることで「ストレスの無い社会の実現」を目指すべく、本取り組みを、早稲田大学 理工学術院 創造理工学部 経営システム工学科 棟近研究室(教授:棟近雅彦、以下棟近研究室)との産学連携プロジェクトとして実施いたしました。

Yogibo☓早稲田大学(棟近研究室)共同研究テーマ
~人は何故「リラックスする」のか~

本研究では、「リラックス」といった抽象的な概念を定量的に捉えるため、人が「リラックス」を感じるまでどういった過程をたどるのか、また、どういった要素が「リラックス」を感じさせ、どのような状態の時を「リラックス」している状態と指すのかを、「感性評価構造(*2)」という評価者の視点から評価用語間の関係性を可視化する手法により紐解きました。その結果、多くの消費者のリラックス度合いを高めるビーズソファの条件として、「大きくてフィット感や脱力感を高める」ことであることが分かりました。

(*2:感性評価構造の手法 )

-研究の様子-

<研究方法>

STEP1:リラックス要素の抽出
STEP2:どのようにリラックスに至るかのメカニズムを示すリラックスプロセスモデルを検討
STEP3:個人差を考慮したビーズソファ利用時のリラックス感に関する評価構造の把握


STEP1:リラックス要素の抽出
リラックスは漠然かつ抽象的な概念であり、どのような要素で構成されているか不明であるため、まずは、ビーズソファ利用時に限らず、人がどのようにリラックスを捉えているのかその構成要素を把握するために20~50代の男女65名に対して、WEBアンケートを実施しました。その結果、223セットの回答を得ることができ、親和図法を用いて8項目に分類しました。

※調査概要
被験者 :20~50代の男女65名
調査方法:WEBアンケートによる自由記述
調査項目:①どのようなときにリラックスするかとその理由
     ②そのシーンでどのような感じ方(感情)をしているか

その後、「ビーズソファ利用時」のリラックス要素がどこに当てはまるのかを把握するため、20~50代の男女46名にWEBでアンケートを行いました。その結果、111セットの回答を得ることができ再度親和図法を用いて要素の整理を行い、9項目に要素分解することができました。

リラックス全体の要素分類(8項目)

※調査概要
被験者 :20~50代の男女46名
調査方法:WEBアンケートによる自由記述
調査項目:①ビーズソファやソファでどのようなことをしているときにリラックスと感じているかとその理由(ビーズソファ・ソファの良さ)
     ②そのシーンでどのような感じ方(感情)をしているか

STEP2:リラックスプロセスモデルの検討
上記で9項目に分類した要素は因果関係があることが推測され、ラダリング調査(*3)を行った結果、どのように「リラックス」に至るのかのメカニズムを示すリラックスプロセスモデルを仮説として導き出すことが出来ました。ビーズソファ利用時にリラックスするには、要因系の「環境」・「対人要素」・「背景的条件」・「製品特性」の4項目が、リラックス状態を示す「無意識状態」・「感情」・「身体的状態」に影響し、最終的にリラックスに結びつくことを示しています。

ビーズソファ利用時のリラックス要素(一部)
(*3:ラダリング調査:製品を識別する要因を下位要素から上位要素にさかのぼっていくことにより、その製品を選んだ潜在的な理由を引き出そうとする手法)

STEP3:ビーズソファ利用時のリラックス感に関する評価構造の把握
上記の「ビーズソファ利用時のリラックスプロセスモデル」を用いて、ビーズソファ利用時とシーンを限定するとどうなるのか、10~70代の男女43人に対して、Yogiboを含む類似のソファ4種類にそれぞれ座る・寝るシーンにて使用してもらうアンケート調査を実施しました。また、個人差によるサンプルの好みや重要視する評価項目を考慮するために、アンケート回答者のグルーピングを行い、各グループ・各サンプル別でどういった要素が「リラックス」することに多くの影響を与えるのか分析を行いました。

研究結果のまとめ

その結果、最もリラックスするビースソファの条件とは大きくてフィット感があり脱力感のあるビースソファが多くの人のリラックス感に影響を与えることが分かりました。
こちらの研究結果は本研究論文(*4)の内容に基づいて抜粋しています。

(*4:ビーズソファ利用時のリラックス感に関する研究論文)

「リラックスする」ことに影響が強い評価項目のサンプルごとの平均評点

また、サンプル別で比較したところ、リラックスする条件の総合評価が一番高かったYogiboは多くの人にリラックス感を与えるビースソファであることと考えられます。

サンプル別で比較した「大きさ」・「フィット感」・「脱力感」の総合評価

研究結果について|棟近 雅彦 教授

この研究では、ビーズソファ利用時にどのようにリラックスに至るのかを表したリラックスプロセスモデルを作成しました。これに基づいてビーズソファのどういう要素でリラックス感が得られるかを調べるためのアンケート調査を行い、大きさ・フィット感・脱力感が重要な要素とわかりました。短時間使用時の調査であり、サンプルサイズも十分とはいえませんが、今後リラックス感を深く解明するための基礎を示したと考えています。

プロフィール

早稲田大学 理工学術院 創造理工学部
経営システム工学科
棟近研究室 教授:棟近 雅彦
(プロフィール 詳細)

棟近研究室では、製品の質を高め、より魅力的な製品を生み出すために、感性品質の研究を行っています。感性品質とは、人間が抱くイメージやフィーリングによって評価される品質であり、自動車で言えば”乗り心地がよい”や、”スタイルがよい”などの言葉で表現されるという特徴を持っています。
消費者がどのようにイメージやフィーリングを感じているかを把握するために、感性品質に関わる「評価用語」を集め、SD(Semantic Differentials)法を用いて消費者の評価を測定します。
棟近研究室では企業と共同研究を行い、実際の製品に感性工学の手法を適用させながら研究を進めています。(棟近研究室 詳細)